保険の窓口 ブラック
小泉首相の時代、生命保険の参入規制が大幅に緩和され、外資系や異業種からの参入が容易になった。
アフラック(アメリカンファミリー生命)、アリコ(メットライフアリコ生命)などが大々的にCMを流し、日本の、いわゆる漢字系生保からシェアを奪っていった。
また、銀行や証券会社の窓口で生命保険を販売することが可能になり、これも外資系台頭の一因となっている。
銀行や証券会社は、外貨や債権などで運用する保険を販売していることが多いが、こういう商品を得意とするのが外資系だからだ。
国内でも、ネット専業生保や、大きな資本を持つ異業種からの参入が相次いでいる。
生保業界は、かつて経験したことのない競争にさらされているのである。
生命保険は、一度加入してしまえば、生涯にわたって数百万円〜数千万円の保険料を支払い続けることになる。
払い出しは限られているため、加入者一人が生保会社にもたらす利益は計り知れない。
加入者一人を獲得するために、代理店に対し、多額のバックマージンを設定することが可能なのだ。
このことが代理店間の競争にも拍車をかけている。
そもそも、在庫を持つ必要がなく、加入者獲得で多額のバックマージンを得られる生保の代理店は、新規参入を考える事業として魅力的だ。
法人、個人、NPOなど、ありとあらゆる代理店が入り乱れて、加入者獲得に走っているのである。
その一方で、代理店には厳しいノルマが課せられているケースも少なくない。
加入者を獲得できない代理店は、容赦なく切られる。
生保を取り巻く環境の厳しさ、代理店間競争の過酷さは、同業者批判につながる面もある。
保険の窓口にはブラックという噂がたえないが、規模が大きいゆえに、同業他社から目の敵にされやすい存在だといえよう。
実際、保険の窓口が行うサービスに、やましい点は一切ないと考えて良い。